アンコンシャスバイアスとは
アンコンシャスバイアスという言葉を見かける機会が増えています。「無意識の思い込み、偏見」のことです。自分は偏見など持っていない、というつもりの方でも、知らず知らずのうちに身につけてしまっているものなのです。
例えば、こんなふうに思うことってないですか?
「あの子は、若いのにしっかりしてるね」
「変わってる人と思ったら、やっぱり血液型B型!」
「大阪出身だから、お笑いキャラだよ」
「さすが女性は、気遣いができる」
「男が日傘なんて恥ずかしい」
まったく悪気なく、こう言ったり思ったりしちゃいますよね。
でも、これらは、
「若い子は、頼りない」
「B型は変わってる」
「大阪の人は面白いはず」
「女性が気が利くものだ」
「日傘は女性が使うもの」
というアンコンシャスバイアスが現れ出ているのです。
女性ならでは…って何?
少し前になりますが、内閣改造を行った岸田首相の記者会見でも、聞いた瞬間、これはまずいだろう、と感じる発言がありました。それは、5人の女性閣僚の起用について、「女性ならではの感性や共感力を生かしてほしい」と言ったことです。やはり、いろいろな方面からの批判を受けていましたね。
多分、岸田さん(シナリオライターや周辺の人も含め)は、まったく悪気はなく善意、もしかすると敬意を表した発言のつもりだったかもしれません。自信満々に女性の登用を胸を張ってアピールしていましたから。
この表現に問題があると気づかないことが、アンコンシャスバイアスのなせる技だと思います。女性ならではの感性は、長らく女性とはこういうものだという文化的・慣習的背景の中で培われた決めつけで、生まれながらではないですし、共感力だって性差より個人差の問題です。
職場の人間関係に与える影響
職場でも、アンコンシャスバイアスが、思わぬ誤解を招いて、人間関係をギスギスさせる、ということが起こりえます。パワハラやセクハラと受け取られる可能性だってあります。
以前、育休明けで仕事を再開した女性社員が、カウンセリングに訪れたことがあります。その方の上司は、良かれと思って、軽い仕事しか付与しなかったようで、それが差別に思えるという話でした。男性が育休を取得するようになり、その時育休明けだからと軽い仕事にするでしょうか?配慮のつもりが差別にならないよう気を付けないといけませんね。
まずは、自分にあるアンコンシャスバイアスに気づき、つい思ってしまうことに疑問を持つ、それこそ「感性」を磨く必要があるのでしょう。
アンコンシャスバイアスをチェックしよう
連合のwebページに、自分のアンコンシャスバイアスがチェックできるものがありました。なかなかおもしろいです。一度ご覧下さい。URLは以下の通りです。