職場にカウンセラーがいるということ

カウンセリング

ドラマの職場にカウンセラーが登場

最近のドラマで、カウンセラーが登場したものが、私の知る限りで2つあります。

1つは、NHKの「別れホスピタル」、もう1つは、TBSの「不適切にもほどがある」。

私がカウンセラーの仕事に就いた頃には、欧米の映画やドラマにはカウンセラーが普通に登場していましたが、日本の映画やドラマでは、見かけることがありませんでした。ですから時代が変わったなぁと実感しています。

お別れホスピタル

「お別れホスピタル」の方は、こんな場面でした。入院患者が、病院の屋上から身を投げ、亡くなってしまったという出来事の後です。業務命令として「一度カウンセリングを受けるように」と職員全員が言われたのではないかと想像できる状況です。ちなみに、こういうカウンセリングを危機介入とかポストベンションという言い方をします。

ドラマの登場人物同士の会話で

「カウンセリング受けた?」

「まだ」

「カウンセラー、みんなに同じこと言ってるらしいよ。『誰かと話すといいですよ』って。」

というのがあり、脚本家さん、わかってる~と感じました。

これは、機械的に同じことを言っているわけではなく、危機介入の際には本当に必要なことなのです。ただ言われた側は、表面的な受け取りになって、「なんだカウンセリングって、そんなことなんだ」となる人もいます。しかし、中には、実際に誰かと避けていた話題をしてみてよかった、カウンセラーの言うとおりだった、という体験をする方もいます。「現場あるある」的なことも含め、脚本家の人が、ちゃんと勉強して書かれていることが伝わってきました。

不適切にもほどがある

もう1つの「不適切にもほどがある」の方は、これをカウンセラーと呼んではマズいだろうというカウンセラーです。

昭和からタイムスリップした主人公が、令和の世の中では、コンプライアンス的に言えなくなっていることを、厳しくガツンと言って社員を指導してほしい、とテレビ局の人事から要請を受け、立派なカウンセリング室まで準備してもらって勤務することになったという設定です。

第1話にもカウンセラーは登場していましたが、その人が休職になり、交代したという設定でした。

こちらは、職場のカウンセリングがどういうものなのかは度外視して描かれています。カウンセラーに相談することじゃないだろう、ということを局員が相談に来ていて、どんな困りごとも話せる場、頼りになる先生、という存在になっています。

やっていることは、本来の専門サービスとしてのカウンセリングとはまったく違いますが、これはこれでいいなと徐々に思えてきました。カウンセラーに話そう、と局員が発想できるという点で、職場へのカウンセリングの浸透度や認知度が非常に高レベルですし、協働して問題解決をするというのは、職場内に入っているカウンセラーの職務でもありますし。なんでもいいから話せる場があると、問題が小さなうちに解決行動に結びつきますし、抱え込みが防止できて、大ごとにならずに済みますし。

職場の外と中でのカウンセラーの役割の違い

この2つのドラマとも、単にカウンセラーが登場しているのではなく、職場にカウンセラーが入り込んでいるのを描かれたことが、非常に画期的で、すごく嬉しいです。かの「スタートレック」では、宇宙船という職場にカウンセラーがいますが、ようやく日本のドラマにも登場したのですから。

オフサイトのEAP

働く人のメンタルヘルスへの理解が進み、経営課題と考える企業も増え、従業員にカウンセリングが受けられるようにとEAP企業と契約を結ぶ企業・団体は増えています。中で多いのは、職場の外で、対面やオンラインでカウンセリングが受けられるというオフサイトのEAP契約です。まったく誰にも知られずに、自分の都合に合わせてカウンセリングが受けられます。特にオンラインだと、在宅勤務であれば業務時間中にも使いやすく、これはこれで、とても重要な役割を果たしていると思います。

オンサイトのEAP

そして、職場にカウンセラーが訪問して、職場の中でカウンセリングを行う契約を、外部EAPによるオンサイト契約と言います。この契約を結ぶ企業・団体は、今のところ、数が限られていて、従業員規模が大きいところに集中し、まだ一般的ではありません。

しかし、中には、健康経営を推進し、従業員が力を発揮できる職場環境づくりをしている企業さんの中に、メンタルヘルス対策の一環として、カウンセラーに来てもらおうというとことも増えてきています。

オンサイトの良さは、カウンセリングの内容から組織の問題が浮き彫りとなってくることがあり、そういう時に、職場の関係者と連携して、解決のために有機的に動けることです。もちろん、そうすることを相談に来られたクライエントとは合意をした上です。

カウンセラーも、その組織のことがよくわかった上で関与しますので、オンサイトのEAPは、個人のメンタルヘルスのためだけでなく、職場や組織をよくする取組みに発展していきます。

職場にカウンセリングを導入しませんか?

2つのドラマからも、職場にカウンセラーがいるのが、当たり前な時代は近づいていると感じます。当社は、経営者やリーダーの皆さんもサポートし、よりよい組織づくりをお手伝いするオンサイトのEAPサービスを得意としています。

ぜひ、お気軽にご相談ください。お問い合わせはちらからどうぞ。