職場のメンタルヘルス対策の重要性
最近では、健康経営に取り組む企業も増え、働く人のメンタルヘルスに向けられる関心は、一層高まっています。
経営者にとって、よい人材を集め、長く勤めてもらうには、職場のメンタルヘルス対策を実施し、よい職場を作っていくことが必須でもあります。
職場のメンタルヘルス対策の導入率
現時点で最新となる令和4年の労働安全衛生調査では、全従業員規模の事業場のうち63.4%が、何らかのメンタルヘルス対策を行っていることがわかっています。従業員50人以上では、91.1%、一方で、従業員30~49人では、73.1%、10~29人では55.7%となっており、従業員が少なくなると、導入率が下がるという現状です。
この結果から、おそらく、従業員規模が少ない事業場の場合、メンタルヘルス対策に充てられるほど人材に余裕がないという事情が考えられます。
労働者の心の健康の保持増進のための指針
そうは言っても、小規模な事業場でも何か取組みを始めていただきたいところです。そんなときには、まずは、労働者の心の健康の保持増進のための指針に目を通してください。
詳しくは、このURLからダウンロードしてみてください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055195_00002.html
この指針は、職場のメンタルヘルス対策推進のため、2006年に労働安全衛生法に基づいて厚生労働省により定められました。その後、何度か改訂されています。事業者が講ずべき措置や職場におけるメンタルヘルス対策の原則的な実施方法が示されています。
4つのケア
この中に、事業者が行う4つのケアというものが紹介されています。
4つのケアとは
①セルフケア
②ライン(管理監督者)によるケア
③事業場内産業保健スタッフ等によるケア
④事業場外資源によるケア
になります。
セルフケア
まずは、一つ目のセルフケアについて、お伝えします。
働くということには、厳しい局面や苦手な人との業務など、辛いこともたくさんあります。つまりストレスは付きものです。しかし、そのストレスがよい方向に作用すれば、働く中での苦労を通じて、人からの承認や自己成長などの喜びも得られ、決して、ストレスゼロがよいわけではないのです。
よい仕事とよい人生のためには、ストレスとの付き合い方を知り、よい心のコンディションづくりが欠かせません。セルフケアは、その取組です。一部の人にだけ必要なのではなく、セルフケアは、すべての働く人に必要です。経営者も例外ではありません。
次の①~④が、セルフケアの主な内容です。
①ストレスに関する知識や情報を得ること
②ストレスに気付くこと
③ストレスに対処するための知識や方法を身に付けること
④ストレス対処を行うこと
これらを、従業員さんが実施できるように、事業者には、情報提供や教育の機会などを設定することが求められるのです。
セルフケアはじめの一歩
例えば、朝礼で話をする当番の方に、何か情報を伝えてもらうことから始めてもいいでしょうし、健康保険組合から来るニュースレターでヒントになることがあったら、人目に付くところに貼り出すだけでもいいでしょう。
「こころの耳」というポータルサイトには、無料のeラーニングもあり、これを活用することで、セルフケア教育のベーシックなことは実施できます。15分ほどの動画で学べますので、職場で見てみるのはいかがでしょうか。
https://kokoro.mhlw.go.jp/e-learning/selfcare/
まずは、無理なくできることから第一歩を踏み出してみてください。
それにしても、どうしたらよいかわからないとか、より踏み込んだ施策を行おうということになりましたら、ぜひご相談ください。
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